2015年 02月 08日
テロ |
貧困 1週間前の日曜日、休日でなにもあわてることはなかったのにいつものように朝の5時頃に目があいてしまった。いつものようにテレビをつけ、リモコンでチャンネルをいくつか変えていった時に一気に目を覚まされるニュースが流れていた。おそらくすべての日本人が願っていたであろう、ジャーナリストの後藤健二さんの救出がならず、イスラム国が彼を殺害したというのだ。酔っ払っている場合ではないのだが、日中は一滴のアルコールも飲んでいないのに終始悪酔いしているような気分だった。
日曜日にニュースが流されてから今日まで、テレビでも新聞でもこの件に触れないことはない。先月末に開会した国会でも政府の対応への検証のあり方と、安部首相がこの件を持ち出しての集団的自衛権行使のための安保関連法案強行へ議論が始まった。
マスコミのインタビューだったか国会での論議だったか思い出せないが、酔っ払いが酔っ払えないことがひとつある。テロへの対応ということで、どこかの政治家だか評論家が「テロをなくすためにはイスラム国を壊滅させること」と、まるでイスラム国がなくなれば地球上からテロがなくなるかのように言っていたのを通勤中にラジオで聞いてしまった。この論調が、アメリカ軍と有志連合による空爆の強化、さらに地上軍の投入と、日本は集団的自衛権を行使しての自衛隊の参加実現に道を開くものになる可能性が大きいことは酔っ払っていなくてもわかる。もともと中東で産出される石油の利権を、アメリカをはじめとする欧米資本主義国の石油メジャーが独占し、イスラム世界では、それに便宜を図る親米政権とそうでない層に格差が広がり、そこから発生する貧困からテロが生まれてきているということは誰もが知るところ。親米政権は石油からの利益を石油メジャーに渡し、その見返りにアメリカなどから政権運営のためのバックアップをしてもらい、国民からの収奪で自らは裕福になる。石油の利益まったく手に入らず、政権からは収奪される国民のなかに、アメリカと政権への不満が大きくなることはあまりにも当たり前だ。だからテロの矛先はいつもアメリカなどの西欧資本主義国と親米政権になる。ようするに、「イスラム国」をなくしても、貧困をなくさないことにはテロはなくならないということは、酔っ払いでもわかる簡単なことで、そのことはオバマさんも十分すぎるほどよく理解しているから、「テロと戦う」姿勢は見せるものの本気で闘ってはいない。もしアメリカ軍が本気になれば、「イスラム国」だけではなく、世界中のほとんどの軍隊がそれこそ「壊滅」させられてしまうだろう。同じ頃、日本で数年前に発生した「秋葉原」での大量殺傷事件に最高裁が死刑判決を下したというニュースが流れたが、これは、個人がやった事件であり、政権を相手にしたものではないので「テロ」とは言われていないが、貧困層から社会への反撃という点でテロと共通する部分があるのではないか。そして、これを組織をつくり、集団的に実行したのが「オウム」だ。あのオウム事件の時代よりも現在の日本は貧困が広がっている。なんとかしないと、日本でも国産のテロが発生しかねないと酔っ払いながら考えた。
めずらしく晴れた土曜日の朝、雪も少なくなっていたのでゲルマン号で竹田のメロディーパークまで往復した。寒かった。
by nskr32000
| 2015-02-08 09:43
| ぼやき