2017年 05月 03日
14.6%の恐怖 |
カードローン 酔っ払いが最近気持ちよく酔っ払えないことの大きな原因に「カードローン」というとんでもない金融商品がある。酔っ払いは仕事の関係で生活に困り、手持ちのお金が何百円しかないとか、食べるものがないとかいう人の相談を受け、なんとか行政の制度で助けられないかあれこれと考え、時には生活保護の申請を手伝うこともある。
生活に困るにはいろいろな原因があり、しかも失業や離婚、倒産、病気などが複合的に関係する。そして、困った人がその場をしのぐために手を出すのがカードローンという場合が多い。カードローンを最初に始めたのは消費者金融だったと思うが、消費者金融はその取立てや過剰融資が問題になり、年収の3分の1を超える融資をすることができなくなった。
問題は、消費者金融は3分の1までという制限があるのに、銀行などの金融機関のカードローンにはその制限が適用されないことだ。酔っ払いの地元にある福井銀行のカードローンは、50万円までなら保証人不要、所得証明不要、来店不要で申し込むことができるらしい。これはどうみてもいくらでも過剰融資ができる仕組みになっている。おそらく福井銀行だけでなく、どこの銀行も似たり寄ったりだろう。そして、カードローンの恐ろしいところはその利息の高さだ。福井銀行で50万円を保証人不要、その他いろいろ不要で借りると、なんと14.6%の利率で毎月1万円の返済が条件になる。最近、金融庁が銀行カードローンの規制を匂わせたので福井銀行の場合、カードローンはホームページのトップページで主役ではなくなったが、以前のホームページには毎月1万円の返済が記載されていた。毎月1万円を14.6%で返済するといったいどうなるのか、ためしに酔っ払いが計算をしてみると、借り入れ金額50万円に対して、なんと77万円~78万円返済することになるのだ。まじめに毎月1万円ずつ返済しての計算である。カードローンのもうひとつ怖いところは、ある金額まで返済するとその返済した分を再度借り入れることができることだ。そこでいつまでたっても返済が終わらず、しかも返済できなくなって次々と新しい50万円のカードローンを申し込み、50万円のカードローンばかりで300万円を超えるカードローン借金を抱えている人が相談者のなかに現実に存在するのだから酔っ払って入られない。この高利息、借りやすさがカードローンの特徴で、福井県内の銀行はテレビで旅行や進学、結婚式のお祝いなどで急に現金が必要になった時にカードローンと、ひっきりなしに宣伝をしている。非正規雇用が当たり前になり、特に若者が友人との付き合いで現金が必要なときに低賃金であるがゆえにその場をしのぐためにカードローンに頼らざるをえない状況を国と銀行が一緒になってつくりだしているのではないかと考えていたら酔っ払っている場合ではなくなった。急な出費が必要になったときはカードローンに頼るのではなく、まずは家族に相談してみよう。
雪の壁
by nskr32000
| 2017-05-03 22:07
| 日常